› うな研ブログ › 2014年09月20日

2014年09月20日

池入れ量80%制限???


水産庁が9月17日に

「中華人民共和国漁業部、日本国水産庁、大韓民国海洋漁業省及びチャイニーズ・タイペイ漁業署の、ニホンウナギその他の関連するうなぎ類の保存及び管理に関する共同声明」

を発表しました。
http://www.jfa.maff.go.jp/j/saibai/unagi.html

ちょっと、おかしいでしょ…

誤魔化しか?


と思う内容があるので、ご紹介しましょう。


共同声明には次のように書かれています。(抜粋)

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中華人民共和国漁業部、日本国水産庁、大韓民国海洋漁業省及びチャイニーズ・タイペイ漁業署(以下「当事者」という。)は、

ニホンウナギのシラスウナギの漁獲が、中長期的に減少していること、及び、その減少は生息地/環境の劣化、海洋学的変化及び過剰漁獲によって引き起こされていると推定されることを認識し、

ニホンウナギは、それが回遊する東アジア地域の沿岸域において共通の資源として利用されてきていること、並びに回遊する性質ゆえにその保存及び管理は地域的な協力が必要であることを認識し、

ニホンウナギのシラスウナギの供給減少は、その他の関連するうなぎ類の東アジア地域における養殖につながり、この現象がそれらの資源に悪影響を与える可能性があることを考慮し、

いくつかの当事者が、関係当局との協力の下、シラスウナギの輸出を制限する措置をとっているにもかかわらず、膨大な量のシラスウナギが中華人民共和国、日本国、大韓民国及びチャイニーズ・タイペイの間で引き続き取引されていると思われることを憂慮し、

以下の共通の見解に達した。


第1 うなぎ類資源の保存及び管理
当事者は、ニホンウナギその他の関連するうなぎ類資源の保存及び管理のための措置に関し、以下の点について協力を行う。

(1)天然水域から採捕したシラスウナギ及び稚うなぎ(以下この第1において「うなぎ種苗」という。)の養殖池への池入れを制限する活動

(a) ニホンウナギについて、2014-2015年池入れシーズン(2014年11月1日~2015年10月31日)のうなぎ種苗の池入れ量は、2013-2014年池入れシーズン(2013年11月1日~2014年10月31日)の池入れ量の80%を超えないものとする。
2015-2016年池入れシーズン(2015年11月1日~2016年10月31日)及びその後は、シラスウナギの採捕量その他の要因を考慮しつつ決定される。

(b) その他の関連するうなぎ類について、各当事者はうなぎ種苗の池入れ量を最近の水準(過去三年間)よりも増やさないようにするための全ての可能な措置をとる。

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赤字
の部分が問題なのですが、

要するに、

「今シーズンは、昨シーズンの80%しか池入れしません」

と言っているわけです。

ちょっと、まてよ

昨シーズン(2013-2014年)は下記の通り、
近年の中では、シラスがよく捕れた年です。

◆近年の池入れ量(ニホンウナギ)

・2004-2005年…18.8トン
・2005-2006年…29.2トン
・2006-2007年…25.1トン
・2007-2008年…21.7トン
・2008-2009年…28.9トン
・2009-2010年…19.9トン
・2010-2011年…21.8トン
・2011-2012年…15.9トン
・2012-2013年…12.6トン
・2013-2014年…27.0トン
・2014-2015年…前年の80%(21.6トン)


分かりますよね。


3年前は15.9トン、2年前は12.6トンしか池入れできないほど不漁だったんです。

だから、保護策を考えることになったわけですね。

なのにですよ


ちょっと良く捕れた昨シーズン(27トン池入れ)を基準にして「80%に減らす」と言っている訳です。

昨シーズンの80%=21.6トンです。

その前年や、前々年の数字からしてみれば、

制限しないのと同じです。


本気で保護する気あるんでしょうかね?

せめて、過去3年なり、過去5年なりの平均値を基準にせな、いかんでしょ。



ウナギに限らず、どんな魚種に対しても
いつまでたっても「取り尽くし漁業」を是正できない日本の水産行政。

またかよ… って感じですね。




ぶんや



















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Posted by うな研管理人 at 10:54水産行政の動き