› うな研ブログ › 真面目な報道

2014年06月14日

日本メディアはIUCNのウナギレッドリスト掲載をどう報じたか


日本メディアはIUCNのウナギレッドリスト掲載をどう報じたか


勝川俊雄公式サイト
http://katukawa.com/?p=5671

を読むと分かりやすいです。



最後の「まとめ」も笑えた。


----------------------------
まとめ

取材先と典型的なコメントをまとめるとこんな感じ

チェーン店 「規制されると高くなって困る」
専門店「困ったけど、規制は仕方が無い」
ウナギ専門家「ウナギ資源、まじヤバい。保全のための強力な取り組みが必要」
水産庁「資源は長期減少傾向で、危機的な状況」

どこに取材するかで、どういう記事になるかが決まるような感じですね。売ってなんぼの、大量消費が招いた悲劇という気がします。
---------------------------------  

Posted by うな研管理人 at 09:34真面目な報道

2014年06月14日

ワシントン条約での規制は


ウナギ資源・食文化の持続性のためには、ワシントン条約での規制を歓迎すべきという視点で書かれています。

その通りだと思います

ぶんや


-------------------------------------------
勝川俊雄公式サイト
http://katukawa.com/?p=5659

ウナギを食べ続けたいなら、ワシントン条約を歓迎すべきである


 ニホンウナギがIUCNの絶滅危惧種に指定されて、ワシントン条約で規制される可能性が高まってきた。日本のメディアは、「ウナギの値段が高くなる」と危機感を煽っているの だが、本当にそうだろうか。そもそもウナギが高くなったのは、十分な規制が無いまま漁獲が拡大し、日本人が食べ尽くしてしまったからである。つまり、無規 制の結果なのだ。無規制の状態が今後も続けば、漁獲は更に減少し、値段は高くなるだろう。もし、ウナギ資源・食文化の存続には、何らかの規制が必要なのは 明白である。

ワシントン条約でウナギが食べられなくなるのか?

ワシントン条約には、付属書I、II、IIIがある。
付属書Iは本当に危機的な状況にある種(ジャイアントパンダやゴリラなど)を守るための枠組みで、学術目的以外の輸出入は原則禁止。ということで、ここに カテゴライズされると、輸入ウナギは食べられなくなるだろう。しかし、ニホンウナギがいきなり付属書Iに掲載されるとは考えづらい。ニホンウナギが掲載さ れるとしたら付属書IIだろう。ヨーロッパウナギも付属書IIだ。ワシントン条約の付属書IIに掲載されると、輸出には輸出国の許可書が必要になる。逆に 言うと、輸出国政府の許可書があれば、自由に貿易できるのだ。

付属書IIに掲載されても、輸出国政府が、正当に捕獲されたと認定して、輸出許可書を発行すれば輸出できる。フランスはシラスウナギの捕獲 を行っているし、今でも輸出している。それらが中国を経由して、日本に大量に入ってきている。ワシントン条約で規制されると、ヨーロッパウナギが食べられ なくなると煽ったメディアの報道は不正確だったのだ。

付属書IIの効果は、政府が許可しない密漁品の貿易を抑制することである。河口に集まるシラスウナギは、素人でも捕獲ができる。その上、単 価が高いので、ブラックマーケットが形成されやすい。付属書IIに掲載されたら、違法に漁獲されたシラスウナギは出荷しづらくなる。つまり、各国政府が連 携をして、密漁を予防しやすくなるのである。ワシントン条約付属書IIに掲載されれば、日本に入ってくる違法漁獲ウナギは大幅に減るだろう。それによっ て、一時的に価格は上がるかもしれない。違法操業が減ることで、ウナギ資源の保全が大きく前進するなら、長い目で見ればそっちの方が良いに決まっている。 「値段が高くなるからワシントン条約付属書IIに反対」という主張は、「違法漁獲されたウナギを安く食べられればそれで良い」といっているようなものであ る。

ワシントン条約付属書IIに効果はあるか

ニホンウナギ資源の存続にとって、付属書IIの規制は無いよりはあった方がよいのだけど、その実効性は漁獲国の政府が十分な規制をするかど うかにかかっている。輸出国政府がバンバン輸出許可書を発行した場合、ワシントン条約付属書IIは意味が無くなる。日本・中国・台湾は、「余所がやらない なら、うちもやらない」といって、単独で実効性のある厳しい規制を導入することはないだろう。現状では付属書IIの影響は極めて限定的だろう。ワシントン 条約付属書IIが意味を持つには、日中台で連携してウナギ資源を管理するための枠組みが必要である。

今後、国際的な資源管理の枠組みをつくらなければならないのだが、仮に枠組みが出来たとしても、漁獲規制に強制力が伴わなければ、単なる努力目標で終わる。現状では、強制力をもった貿易規制の枠組みは、ワシントン条約ぐらいしかないので、これを活用しない手は無い。

ワシントン条約付属書IIへの掲載がきっかけとなり、日中台で資源管理の枠組み作りが進めば良いと思う。そして、ワシントン条約を利用し て、違法漁獲を押さえ込み、持続的な漁業を実現していくのが、ウナギ資源・食文化が存続するためのわずかな希望である。逆に、今回、ワシントン条約に掲載 されずに、各国が問題の先送りを選択したばあい、ニホンウナギは取り返しの付かない事態になりかねない。

ワシントン条約で規制の網がかけられるかどうかは、ウナギ資源の未来に重大な意味をもつ。我々日本人が、今考えるべきことは、今年の土用の 丑にウナギの値段が上がるか下がるかでは無く、鰻丼というすばらしい食文化を支えてきたウナギ資源をどうやって救うことが出来るかである。日本のマスメ ディアには、ワシントン条約の意味を理解した上で、ウナギ資源・食文化の持続性に対して責任のある記事を書いて欲しいと切に願う。

ントン条約付属書IIに効果はあるか

ニホンウナギ資源の存続にとって、付属書IIの規制は無いよりはあった方がよいのだけど、その実効性は漁獲国の政府が十分な規制をするかど うかにかかっている。輸出国政府がバンバン輸出許可書を発行した場合、ワシントン条約付属書IIは意味が無くなる。日本・中国・台湾は、「余所がやらない なら、うちもやらない」といって、単独で実効性のある厳しい規制を導入することはないだろう。現状では付属書IIの影響は極めて限定的だろう。ワシントン 条約付属書IIが意味を持つには、日中台で連携してウナギ資源を管理するための枠組みが必要である。

今後、国際的な資源管理の枠組みをつくらなければならないのだが、仮に枠組みが出来たとしても、漁獲規制に強制力が伴わなければ、単なる努力目標で終わる。現状では、強制力をもった貿易規制の枠組みは、ワシントン条約ぐらいしかないので、これを活用しない手は無い。

ワシントン条約付属書IIへの掲載がきっかけとなり、日中台で資源管理の枠組み作りが進めば良いと思う。そして、ワシントン条約を利用し て、違法漁獲を押さえ込み、持続的な漁業を実現していくのが、ウナギ資源・食文化が存続するためのわずかな希望である。逆に、今回、ワシントン条約に掲載 されずに、各国が問題の先送りを選択したばあい、ニホンウナギは取り返しの付かない事態になりかねない。

ワシントン条約で規制の網がかけられるかどうかは、ウナギ資源の未来に重大な意味をもつ。我々日本人が、今考えるべきことは、今年の土用の 丑にウナギの値段が上がるか下がるかでは無く、鰻丼というすばらしい食文化を支えてきたウナギ資源をどうやって救うことが出来るかである。日本のマスメ ディアには、ワシントン条約の意味を理解した上で、ウナギ資源・食文化の持続性に対して責任のある記事を書いて欲しいと切に願う。

約付属書IIに効果はあるか

ニホンウナギ資源の存続にとって、付属書IIの規制は無いよりはあった方がよいのだけど、その実効性は漁獲国の政府が十分な規制をするかど うかにかかっている。輸出国政府がバンバン輸出許可書を発行した場合、ワシントン条約付属書IIは意味が無くなる。日本・中国・台湾は、「余所がやらない なら、うちもやらない」といって、単独で実効性のある厳しい規制を導入することはないだろう。現状では付属書IIの影響は極めて限定的だろう。ワシントン 条約付属書IIが意味を持つには、日中台で連携してウナギ資源を管理するための枠組みが必要である。

今後、国際的な資源管理の枠組みをつくらなければならないのだが、仮に枠組みが出来たとしても、漁獲規制に強制力が伴わなければ、単なる努力目標で終わる。現状では、強制力をもった貿易規制の枠組みは、ワシントン条約ぐらいしかないので、これを活用しない手は無い。

ワシントン条約付属書IIへの掲載がきっかけとなり、日中台で資源管理の枠組み作りが進めば良いと思う。そして、ワシントン条約を利用し て、違法漁獲を押さえ込み、持続的な漁業を実現していくのが、ウナギ資源・食文化が存続するためのわずかな希望である。逆に、今回、ワシントン条約に掲載 されずに、各国が問題の先送りを選択したばあい、ニホンウナギは取り返しの付かない事態になりかねない。

ワシントン条約で規制の網がかけられるかどうかは、ウナギ資源の未来に重大な意味をもつ。我々日本人が、今考えるべきことは、今年の土用の 丑にウナギの値段が上がるか下がるかでは無く、鰻丼というすばらしい食文化を支えてきたウナギ資源をどうやって救うことが出来るかである。日本のマスメ ディアには、ワシントン条約の意味を理解した上で、ウナギ資源・食文化の持続性に対して責任のある記事を書いて欲しいと切に願う。
-------------------------------------------  

Posted by うな研管理人 at 09:27真面目な報道

2014年05月21日

以前と比べれば相変わらず低い水準



朝日新聞デジタル(2014年4月9日)より

----------------------------------------------------
 不漁続きだったウナギの稚魚(シラスウナギ)の漁獲量が今シーズン、県内で持ち直している。すでに昨シーズンの5倍近い約50キロが取れ、国内の他産地や海外でも増え出しているという。復調の原因は不明だが価格は下がり、養殖業者には朗報だ。しかし、取れ具合は県内で偏りがあり、関係者の表情は複雑だ。

 県水産資源課によると、シラス取りは昨年12月16日から始まり、今年2月末までに49・6キロが取れた。4年続きで不漁だった2009~12年度の各2月末で、09年度15・7キロ▽10年度10・2キロ▽11年度29・9キロ▽12年度10・7キロに比べると大幅増だ。

 ただ、05年度の2月末では250・8キロも取れており、「好調」とは言っても不漁続きの4年間と比べてのこと。県の担当者は「以前と比べれば相変わらず低い水準。とても資源が回復したとは言えない」と、慎重な見方だ。復調の原因についても分からないという。
----------------------------------------------------

まあ、真面目な報道の部類ですよね。


ぶんや
  

Posted by うな研管理人 at 15:07真面目な報道

2014年04月28日

岐阜・粥川谷の掟


中日新聞のコラムです。

ちょっぴり真面目で

ちょっぴり愉快ですね





ぶんや

  

Posted by うな研管理人 at 13:41真面目な報道

2014年04月08日


ウナギ激減に無自覚な加害者・日本人


2012年08月22日と古いのですが、

ウェッジに

漁業 「環境の変化」という魔法の呪文

ウナギ激減に無自覚な加害者・日本人
〜あたかも被害者であるような誤解〜



というコラムがあります。

http://wedge.ismedia.jp/articles/-/2152?page=1

日本のウナギ問題を考えるうえでベースとして知っておいた方がいい、本質的なことが書いてあります。


著者は、マルハニチロ水産の海外買い付け担当だという片野歩さん。

著書の『魚はどこに消えた?』(ウェッジ)を、ボクも持っています。



ウナギのことは少ししか出てきませんが、

世界の水産立国の中で、いかに日本の水産資源保護策(水産行政)が遅れているか、とてもよく分かる内容です。お勧めですよ。



以下にコラムの一部を抜粋します。

ぶんや

----------------------------------------------

ウナギは幻の魚となってしまうのか

 土用の丑の日を前後して、今年もウナギが話題に上りました。稚魚の価格が1キロ200万円(!)を超えて暴騰、ウナギの高騰で苦労する専門店、マダガスカルやインドネシア等からの新たな輸入先の発掘……。「ウナギの稚魚不漁」で消費者を含めて多くの人々が影響を受け、次はどこから輸入するのかとい うことに期待が集まるような報道となりました。

 このままでは、来年以降はさらに稚魚の数が減り、ウナギは幻の魚となっていくことでしょう。稚魚が減った最大の理由は環境の変化等ではなく、乱獲が主因です。それがあたかも、環境変化にも原因があったのではないかと「魔法の呪文」を唱えることで原因が曖昧にされてしまい、加害者である我々日本人があたかも被害者であるかのような、大きな誤解を与えることになってしまっているのです。

 EUは、ウナギの資源減少を懸念して2007年に輸出規制を行い、米国も規制の準備に入っているといわれています。「ウナギ取引、米が規制検討、 対象拡大なら日本に影響」という記事を見て、それなら規制される前に「ウナギを食べておこう」とするような考えがあるとしたら、それは如何なものかと思います。なぜ規制がかかるのか、真剣に考えていただきたいところです。

 欧米が規制をかける理由は、資源保護・持続性に関する考え以外の何ものでもありません。EUのウナギ資源は、規制実施後もまだ回復の兆しが出ていません。あまりに乱獲が進んでしまうと、資源の回復までに10年単位のスパンで長い年月がかかってしまうのです。それでも、将来のことを考えて規制を実施する国々と、問題を先送りして何の判断も下さない国とでは、結果の違いは言うまでもありません。

EUの資源管理の想いは伝わらず

 日本のウナギ養殖に年間で必要な稚魚は20トンといわれています。国内での水揚げは、ピークの1963年には約230トン獲れていたものが、今では10トンを割ってしまっています。足りない分は、輸入となりますが、密漁や密輸が横行するとされる稚魚の輸入は、大半が香港経由で、本当の出荷元はわからないケースが多いそうです。

 EUのマリア・ダナマキ海事・漁業大臣が7月に来日し、日本政府と水産基本政策、水産資源の国際的管理、違反漁業対策等について意見交換を行い、 国際資源管理の推進と違反漁業対策の強化に向けた日本・EU間の協力を盛り込んだIUU(違法・無報告・無規制)漁業問題への取り組みに関する共同声明に署名しています。本来であればウナギの稚魚などは、真っ先に具体的な魚種として話題になってもよさそうです。

 しかし、「中国で養殖されているウナギにEUからの密輸の稚魚が入っていないのか?」「その親ウナギを日本は輸入していないのか?」といったことは話題にならず。世界各国で新たなウナギを探し回る勇姿の姿が報道されているのを見ると、EU側の資源管理にかかわる主旨とその想いは伝わっていないな、 とつくづく考えさせられてしまいます。

 EUは2010年から、輸入の際に正当に漁獲されたものであることを、漁船の旗国が証明する「漁獲証明書」を要求しています。資源管理がされていないような水産物は、輸入できなくなり、市場から弾き飛ばされるのです。

 日本でも一部の魚種(メロ等)で漁獲証明が必要になってきていますが、これは例外に過ぎません。本来であれば、来年3月に開かれるワシントン条約 の対象にウナギ(ただし、これはアメリカウナギという品種で、日本で漁獲されるものと異なる)が浮上する前に、日本も正規ルートであることが証明されない 場合は、そのウナギ輸入の是非を考えるべきなのです。

ウナギ最大消費国・日本の責任

 今後は、まだ規制の緩いアフリカや東南アジア等の国々に、稚魚の漁が集中してしまうことでしょう。価格が高騰すればするほど、漁業者の数は増え、 漁獲圧力が増して、悪循環に陥っていくのです。背後にあるのは、最大消費国の日本です。米国やEUでは、資源管理ができていない水産物は、量販店やレストランで自主的に販売されなくなります。

 一方で、日本は、絶滅するまで売り続け「うなぎが減った、消えた」と大騒ぎするのです。EUの海事・漁業大臣が力説していたIUU排除に関して も、売り場で話題になるようなことは、ほとんどないのです。本来であれば、消費者に食べている魚の資源状態がわかるシステムがあることが望ましいでしょう。





  

Posted by うな研管理人 at 08:49真面目な報道